はじめに
ALPS軸 (SKCL/SKCMシリーズ) のルブに関して、私の方法をまとめておきます。
参考
以下の記事には大変助けていただきました。
ありがとうございます!!
https://deskthority.net/wiki/Alps_SKCL/SKCM_series
ルブとは何ぞやと言う方はRECOMPILE KEYSさんの記事をご参照ください。
Cherry MX軸の解説ですが、
ルブの目的や必要な道具について網羅的に記載されています。
keys.recompile.net
ai03さんのALPS軸メンテナンスの記事と
天キーvol.4に展示されていたLUNAR II(試作品)とペーパー
info.ai03.com
Ryo NakaeさんのTMK Alps64 w/ Tofu60 Build Log
log.brdr.jp
目次
手順
- 分解
- 洗浄
- ルブ
○トップハウジング・スライダー
○スプリング
○接点(コンタクト)プレート - 組み立て
- 動作確認
1. 分解
ALPS軸は直方体のスイッチです。
長辺にタブが付いていますので、
その部分に爪ないし先が細くて平たいもの*1を差し込み、
引っかかっているタブを浮かし、指で摘んで引っ張り出します。
2. 洗浄
金属パーツとプラスチックパーツに分けます。
プラスチックパーツは洗剤もしくは超音波洗浄機で洗います。
私が所持している超音波洗浄機は小さ過ぎて効率が悪いので、中性洗剤で洗っています。
洗い終わったら乾燥させます。
金属パーツはよっぽど汚れている場合だけ、無水エタノールで洗浄します。
3. ルブ
トップハウジング・スライダー
ルービックキューブ用ルブのDNM-37を使います。
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このルブは
空気中の水分を吸収し、効果が長く持続するよう特別に設計
されています。
乾燥させないと金属パーツが錆びてしまいますので、塗布量は少なくします。*2
調色皿などにルブを少量出し、筆やマイクロアプリケーター等で薄く塗っていきます。
塗る箇所はトップハウジングのスライダーが接触する部分と
スライダーの短辺です。
私の場合100スイッチくらいで8滴程度使っています。
この後、一日程度自然乾燥させます。
乾いたらもう一度塗ります。
その後、一日程度自然乾燥させます。
乾いたらヒートガンで乾燥被膜を作ります。
余談ですが、キーボードから取り外したALPS軸のスライダーが
極稀に溶けています。
なぜ溶けているのかは良くわかりませんが、高すぎる温度は良くなさそうです。
スプリング
十徳ナイフ用ルブのMulti-tool Oilを使います。
https://amazon.co.jp/dp/B078X7BCRW/
チャック付き袋に数滴入れて揉み込みます。
接点(コンタクト)プレート
キースイッチ定番のKrytox GPL 205 G0を使います。
https://shop.yushakobo.jp/products/lubricants?variant=37665260994721
接点プレートから接点バネ(金属の板バネ)を取り外します。
接点バネの裏側に多めにルブを塗ります。
塗ると書きましたが、トントンと載せる感じの方がルブりやすいです。
この後、接点プレートに被せますので、ルブを均す必要はありません。
4. 組み立て
組み立ては流派が多数あるみたいですが
私の場合は、まずボトムハウジングに接点プレートを差し込みます。
次に、トップハウジングにスライダーを差し込みます。
スライダーには向きがあります(緑軸にはありませんでした)。
欠けがある方をトップハウジングのボコボコがある方に差し込みます。
次に、トップハウジングにクリックリーフ(タクタイル・クリックバネ)を差し込みます。
トップハウジングの平らな方に差し込みます。
次に、スライダーにスプリングを差し込みます。
最後に、トップハウジングにボトムハウジングを被せます。
スプリングがズレるとスイッチが上手く押せません。
その場合はもう一度分解してやり直してください。
スプリングの位置を変えるだけなので、そこまで面倒くさくないはずです。
5. 動作確認
テスターを通電確認モードに切り替え、接点に押し当てます。
スイッチを押し込みながら、通電しているか確認してください。
通電しない場合は、【ゲームソフト 接点】で調べていただけると解決すると思います。
この記事はSPINE2003で書きました。